新型コロナウイルス感染症対策の専門家会議 まとめ 2020年3月19日 オーバーシュート、ロックダウンを防ぐ提言

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2020/3/19、 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が、現状の状況分析を行い、分析した結果をまとめた「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を公表しました。

官公庁サイトの資料は、表現がかたいので、読みづらいですよね。
かんたんな言葉に直してみました。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000610566.pdf

記事は引用です。 最後に「まとめ」で私の感想を書きます。

提言の概要

【現状】
日本国内の感染状況は、引き続き持ちこたえているが、一部の地域では感染拡大が見られる。

【懸念点】
地域で、感染源(リンク)が追跡できない患者数が継続的に増えた場合、これが全国に拡大すれば、爆発的な感染拡大を伴う大規模流行(オーバーシュート)につながる可能性がある。

【方針】
現時点では、社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止の効果を最大限にする、これまでの方針を続けていく必要がある。

次の3本柱の基本戦略を、さらに維持、必要に応じて強化し、速やかに行うこと

3本柱の基本戦略

1.クラスター(集団)の早期発見・早期対応
2.患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保
3.市民の行動変容

また、政府、地方公共団体への提言、市民と事業者の方々へのお願いしたいことを公表した。

集団感染が起こりやすい「3つの条件」が同時に重なる行動を避ける

1.換気の悪い密閉空間
2.多くの人が密集
3.近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声があった

では、提言の内容を解説していきます

はじめに

この見解は、新型コロナウイルス厚生労働省対策本部クラスター対策班が分析した内容等に基づき、専門家会議で検討した結果をまとめた。

提言の目的

オーバーシュート【爆発的患者急増】を防ぎ、
ロックダウン【外出自粛、移動制限】にしなくて済むように、提言をまとめた。

オーバーシュートとは
いつの間にか感染が市中にひろがり、爆発的に患者が急増すること。
こうなると、医療体制がパンクして、サービスや薬が行き渡らなくなる

対策として、他国のようなロックダウン対策をすることになる。

いまわかっていること

この感染症にかかった場合

・約 80%の人は軽症
・約5%は重篤化し、亡くなる方もいる

特に、高齢者や基礎疾患を持つ方 は特に重症化しやすい

状況分析

日本の対策

世界保健機関(WHO)は、3/11にパンデミックと表明(3月 11 日)

日本は、ひきつづき、3本柱の方針を実施し、強化する

3本柱の基本戦略

1.クラスター(集団)の早期発見・早期対応
2.患者の早期診断・重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保
3.市民の行動変容

感染の連鎖を小さくおさえて、それぞれの地域で適切に制御して収束できるかが重要

・海外から入る、新型コロナウイルスへの対応
・クラスター(患者集団)の感染源(リンク)を追跡できない事例の対策

日本のクラスター対策(早期発見、対応)の現状を、WHOは高く評価 

WHOは、日本の戦略「クラスター(患者集団)の早期発見・早期対応」 を高く評価

今後の課題は、クラスター対策の人員不足。

【理由】は、専門家がすくないため。保健所の負担が大きいため。

北海道の感染状況と対策(緊急事態宣言)は、効果あり。新規感染者の増加をおさえた。国内対策も一定の効果あり

感染拡大の兆候があった北海道は、2 月 28 日に緊急事態宣言した。

・週末の外出自粛要請
・大規模イベントの開催自粛
・学校の休校

北海道の対策の効果はあった。新規感染者の増加を抑えた

実効再生産数(感染者1人が他人に感染させる人数)が減った
=新規感染者の増加を抑えられた

ただし、収束に向かっていないため、注視が必要。

※感染源(リンク)が追跡できない新規感染者数は、横ばいの状況。伝播が止まってない。

北海道知事による緊急事態宣言により、
道民の皆様が日常生活の行動を変え、事業者の方々が迅速に対策を講じられた。
その結果、急速な 感染拡大の防止に効果があったものと判断できる。

国内の感染状況と対策

国内の感染状況は持ちこたえているが、オーバーシュートの予兆もある

持ちこたえていますが、一部の地域で感染拡大がみられる。
たとえば、次の件は、オーバーシュートの兆候になり得るので注視が必要。

・都市部を中心に増える傾向にある。
・高齢者の福祉施設で集団感染があった。
・感染源(リンク)が追跡できない感染者が増えている地域がある。

国内での様々な対策の効果

現時点では、「メガクラスター(巨大な患者集団)」の形成は見られない。

国民の適切な行動変容により、国内での新規感染者数が若干減少し、効果があった。

重症化する患者

現状、入院者に占める死亡者数の割合は低く抑えられている。

日本の医師が重症化しそうな患者を検出し、適切な治療ができている

我が国の医療の質の高さを示唆 している。

今後の見通し

北海道大学教授の統計によると、オーバーシュートが起き、かつ、ロックダウンをしなかった場合は、日本は、最終的に人口の 79.9%が感染すると考えられる。

よって、オーバーシュートが起きた場合は、ロックダウンをせざるをえない。

そうならないよう、国民や事業者の皆様に、引き続き、「3つの条件が同時に重なる場」を避ける努力をお願いしたい。

集団感染が起こりやすい「3つの条件」が同時に重なることを避ける

1.換気の悪い密閉空間
2.多くの人が密集
3.近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声があった

国内外の現在の感染状況から、長期戦を覚悟する必要がある。

地域ごとの医療提供体制

専門的なので割愛 (医療提供体制の整備を各都道府県に呼びかけた)

地域ごとの対応に関する基本的な考え方 

●感染状況が拡大傾向にある地域

 ・独自のメッセージ、アラートの発出、一律自粛など適切に対処
 ・危機を乗り越えられるまでの期間に限 って導入する

●感染状況が収束に向かい始めている地域

 ・感染拡大のリスクの低い活動から、徐々に解除すること
 ・感染拡大の兆しが見られた場合には、再び規制すること

感染状況が確認されていない地域

 ・急激な感染拡大への備え
 ・「3 つの条件が同時に重なる場」を回避する対策は必須
 ・感染拡大のリスクの低い活動から実施

学校等

 感染状況が拡大傾向にある地域では、一定期間、学校を休校にすることも一つの選択肢

【理由】 
・子どもは重症化する可能性が低いが、重症化した事例も少数ある(中国)
・家族内感染からクラスター連鎖のきっかけになる可能性もある。

提言

政府及び地方公共団体への提言 

専門的なので割愛

市民と事業者の皆様へのお願い

3つの条件が同時に重なった場での活動の自粛 

感染者、濃厚接触者等に対する偏見や差別は許されない

特に、報道機関は配慮ねがう

感染者、濃厚接触者は、積極的疫学調査へのご協力 願う

感染者、濃厚接触者は、保健所の調査にご協力ねがう

事業者は、集団感染が発生した場合には、その情報公開にご協力ねがう

重症化リスクの高い方へ( 高齢者、持病のある方 )

共有の物品がある場所、不特定多数の人がいる場所などへ の訪問は避ける。

逆に、限られた人数での散歩などは感染リスクが低いので、健康維持におすすめ。

高齢者や持病のある方に接する方へ(職業、家庭の方)

家庭内での感染の拡大はよくみられるので、いっそう注意ねがう

若者世代へ

若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは高くない。

しかし、本人は気づかずに感染を広めてしまう事例が多く見られるので、
3つの条件が同時に重なることを避けるようご協力願う

医療従事者 へ

オーバーシュートが起きた場合、感染症指定 医療機関以外でも診療を行うことになる。

地域の医療機関ごとの役割分担を踏まえて、医療ニーズの低減努力をお願いしたい。
 ※一般診療を区分け、手術の延期など

PCR検査について 

感染クラスター連鎖にならないよう、濃厚接触者にもPCR検査をする。

優秀だが万能ではないため、臨床症状もあわせて判断する。

大規模イベントは、中止か延期を検討。実施する場合の配慮点

大規模イベントは、中止か延期を検討する。やるなら、次の3点に配慮

①人が集まる場の前後も含めて、適切な感染予防対策の実施
②密閉空間・密集場所・密接場面などクラスター(集団)感染発生リスクが高い状況の回避
③感染が発生した場合は、参加者への確実な連絡と行政機関による調査への協力 などへの対応を講ずること

事業者の皆様へ

・従業員に何かあった場合に休みやすい環境の整備
・テレワークや時差通勤の推奨
・従業員の集団感染の予防に留意
・海外出張で帰国した場合、2週間は職員の健康状態を確認。体調に変化があった場合は、受診の目安を参考に適切な対応を取るよう職員へ周知徹底する。 

新型コロナウイルス感染症対策の専門家会議 まとめ

犠牲者が出ていることは残念ですが、
中国と関係性が高いにもかかわらず、他国に比べて被害が抑えられていますね。

政府、官僚、官公庁が矢継ぎ早に対策していること
それにこたえる日本国民の協調性の高さ
医療体制の高さ

北海道をはじめとした日本の取組みは、世界に発信できるのではないでしょうか。

ひきつづき私も、感染予防のために、3つの条件が重なる行為を慎みます。

人類はウイルスへの体制を数万年かけて備えているはずです。
治療薬の開発にも期待しています。
経済状況が悪くなりそうな気配がありますが それほど悲観していないので、
無理しない範囲で投資も進めます。

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