公務員定年延長により2023年(令和5年)から2年毎に1歳引き上げられます。 この制度のメリットデメリットを解説します。メリットは、職員にとって長期的な生活設計ができること、デメリットは、採用の抑制等により職員の年齢構成比がひずみ、職員の負担が増えること、ポストが埋まり、昇進ペースが遅くなることがあります。詳しく解説します。
公務員の定年延長のデメリット
新規採用が減り、職員の年齢構成が歪み、相対的に職員の仕事量が増える

https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/post-107.html
自治体の事務量が増えるわけではないので、根拠なく定員増はできません。
60代が増え、20代が減ることになります。年齢別職員構成に、ゆがみが生じます。
定員管理は現状のままになると、新採用を抑制することになるためです。
普通退職がなければ、2年に1回の採用になってしまうため、その結果、令和15年度まで20代の職員が例年の半分になります。
定年延長後の職員は、現役並みに働く人がいるかもしれませんが、20代の働き方に代替えできるかといえば、難しいでしょう。また、高齢者部分休業制度を使って現役続行する場合は、勤務時間の半分を上限に休業できます。
相対的に、若手職員の負担が増えます。
昇任ポストが相対的に減り、昇進ペースが遅くなる。モチベーションダウン
定年延長後の職員は、いわゆる役職定年により、基本的に管理職から外れますが、係長クラスの監督職に就きます。係長クラスは一般職員クラスになるとはいえ、新規ポストを増やさない限りは、上が詰まります。
定年延長者全員分のポストを用意できるかといえば、難しいところがあるので、昇進ペースが遅くなるでしょう。職員の士気(モチベーション)が下がります。
継続雇用が不適格な者も、引き続き勤務する
継続雇用が不適格な者も、引き続き勤務することも負担増になります。
公務員の定年延長のメリット
公務員定年延長のメリットは、職員側の視点では大いにあります。
長期的な生活設計ができる
年金がもらえるまでの間、安定した職を保てます。
再任用よりも好待遇で働ける
引き続き、職員と同等の福利厚生が得られます。
(再任用職員では、扶養手当などの各種手当がありません)
働き方も、高齢者部分休業制度を使えば、職員の身分のまま勤務時間の半分を上限に休業することができます。
公務員の定年延長のメリット、デメリット
公務員定年延長は、長期的な生活設計ができる反面、採用が抑制されたり、職員の負担増につながるなどのデメリットを含みます。変えるのは難しいところがあります。若年層にとっては、デメリットが目立つ制度に見えてしまいますね。
定員管理の在り方等は、総務省が検討会を進めていますが、具体的な解決案は出てきていないのが現状です。
【G.W.キャンペーン】Amazonで200万冊以上の本が読み放題(Kindle Unlimited)が、今なら2か月間無料体験できます。お使いのスマホやパソコンで見られます。